国内インディ開発者アンケート~第2回 制作した作品が期待に及ばなかった点~

インディ開発者の声

2021年6月30日~2021年7月4日の期間、当サイトのTwitterにて
国内のインディ開発者に向けたアンケートを実施させて頂きました。
5日間で93件もの回答を頂き、インディ開発者の方の熱量を改めて実感する結果となりました。

今回から、自由に記述して頂いた部分の結果を見ていきたいと思います。
前回のグラフの記事はコチラからご確認頂けます。


⑧ どのあたりが課題だと思いますか?

これは7問目の質問「作品を出して期待した結果を得られましたか?」という問いに対して
「得られなかった」と回答した方への質問でした。
国内インディ開発者が期待した結果に及ばなかった理由として挙げたものを見ていきましょう。

1位:プロモーション不足、認知度が上がらずDL数が伸びなかった・・・22票

一番多かった理由は、プロモーションなどで見つけてもらうことが上手く出来なかったため、販売数やDL数が伸びなかった、という内容でした。
せっかく良いゲームを制作しても、見つけてもらうことが出来なければ誰からも気づかれずに遊んでもらうことは出来ません。年間約9,000タイトルがリリースされているというSteamインディ市場で自分達の作品を見つけてもらうことが、何よりも重要な項目なのは事実です。

実際に頂いた声を抜粋して取り上げます。

・認知度が高められず、ダウンロード数が伸びない。
・ゲームを完成、公開した後にパブリッシングを始めたのは大きな問題点だと思います。現在制作中のゲームは、出来る限り進歩状況を公開しながら制作しています。
・スクリーンショットにできる画面を最低でも3つ用意しないといけないと感じました。※パズルゲームを作ったのですが、スクリーンショットにできるものがパズルシーンのみの一枚になってしまった。
・ゲームをリリースしても何もしないと気付かれもしないので、まずは自分のゲームを見つけてもらうためのプロモーションが必要。
・ゲームを知ってもらう努力が足りなかった。

2位:作り込みや技術力が足りず満足出来る内容に出来なかった・・・10票

二番目に多かった理由は、クオリティ面で上手く仕上げられなかったという内容でした。
自分達が思い描く理想のゲームに出来なかったり、ユーザーに満足してもらえる内容を用意出来なかったりと技術面や作り込みの面での課題は、多くの開発者が抱えている問題です。

実際に頂いた声を抜粋して取り上げます。

・クオリティ不足。
・自分自身の技術力が至らず、良い演出や操作感を作れずにいるところ。
・見た目のクオリティ
・コレクション要素が必要だと感じました。継続的なプレイを促すにはコレクション要素は必要不可欠だと感じました。
・結果的にうまくいったタイトルもあるが、プロジェクトの進行管理が甘くクオリティやコンセプトがしっかりしていなかったゲームは惨敗した。
・内容の変更の多さ。

3位:個性や魅力を引き出せなかった・・・6票

インディゲームで大事な要素としてどこかが尖っているという点があります。
これまでには無かった要素、新しいゲーム体験、ある要素をとことんまで突き詰めて仕上げるなど
数多のインディゲームの中で目立つ作品は、その個性が魅力となりユーザーに評価されています。
実際にゲームを制作して、その個性や魅力が足りなかったと感じている開発者は多いと思います。

実際に頂いた声を抜粋して取り上げます。

・過去で期待した結果を得られなかった作品は、流行が下火になってからリリースしたり、プラットフォームの仕様に対応できなかった。
・色味を楽しげな色味にしなければならないと思いました。世のパズルゲームが原色をふんだんに使った派手な見た目をしている理由が少し理解できました。パズルゲームに限らず楽しげな画面構成ないし動きが必要だとも感じました。
・話題性、個性
・独善的な題材

4位:販売ノウハウや収益化・・・5票

ゲームを作って遊んで頂けたとしても、収益を得ていかなければゲーム制作を生業にすることは出来ません。どうユーザーを惹きつけ、どう収益を得ていくか、海外では多くの考察サイトが存在しますが、国内ではまだまだその数は少なく、どう販売するのか、どう値決めをするのか、どう展開していくのかノウハウが得られず苦戦している開発者の方が多いと思います。

実際に頂いた声を抜粋して取り上げます。

・最近では基本無料だが、クオリティが高いものが多く出回っているため、作品をターゲットにどうやってアプローチするのか、ユーザをどうやって引きとどめるか、収入をどう確保していくのかは課題が多いと感じている。
・開発だけでもしんどいのに販売はさらにしんどいしノウハウがない。
・初めての有償ゲームにしては非常に好調だったものの、ツクールMV製のためパブリッシャーさんからのNintendo Switchなどのコンシューマーゲーム化のお誘いに応じられず歯がゆい思いをしています。
・もっと売れると思ったけど売れなかった。ツイッターのフォロワーさん達に購入してもらったり、高評価やレビューを下さったり、サイトで宣伝してもらって嬉しかったので、制作して良かったと思った。これが無かったら、かなりつらかったと思うし、今、制作続けてないかもしれません。

5位:プロジェクト管理や制作時間の確保・・・4票

作っても作っても終わりがないのがゲーム制作というものです。どこまで作るのか、何を優先するのか、情報公開をどうするのか、チームでの作業分担は?など単にゲームを作るだけでも考えることは山程あります。上手く制作を管理出来ないといつまでもゲームは完成せず、モチベーションの維持も困難です。制作のノウハウ不足として課題と考える開発者は少なくないでしょう。
また、ゲーム制作を本業としていない開発者は、ゲームを制作する時間を確保することについても悩みが多いと思います。

実際に頂いた声を抜粋して取り上げます。

・いかにゲーム制作に当てる時間が作れるかが課題だと思っています。かなりブラックな会社でサービス残業や休日出勤が多い中、少しづつ開発を進めております。
・作り込みに耐えれるプロジェクトマネージメント
・クオリティの調整、制作時間の確保

■まとめ

今回のアンケート結果では、ノウハウ不足で開発者の多くが悩んでいることがわかりました。
当ブログでは「自作ゲームを世界で100万売る!」という連載記事を作成し、国内インディ開発者の方々にノウハウや有益な情報をお伝え出来るように取り組んでいます。

一番多く声を頂いたプロモーションについては、ここ数年のインディゲーム市場の変化を理解し、出来る限り早い段階で情報を出していくことをオススメしています。Twitterを始めたとしてもすぐに色んな人に見てもらえるわけではありません。また、Steamで販売する場合はストアページだけでも早く用意しておくことが大事だと考えています。
その他にもプレスリリースイベントの参加等、やれることはたくさんあります。
記事にまとめておりますので、ぜひご覧ください。

インディゲームを販売して収益を得るという点については、インディゲーム市場での戦い方を理解する必要があると考えます。
どこで勝負をするタイトルなのかを明確にして開発を進め、どんな些細な進捗でも情報を出して期待してもらう、そして多言語化を行って世界市場で売れるタイトルにするなどポイントがあります。
こちらの記事でご確認ください。

販売価格については、国内での情報が少なく非常にノウハウを得ることが難しいと感じています。
当ブログで海外の分析記事や分析サイトを利用した価格戦略についての記事を用意しています。
ぜひ参考にしてください。

また、Steamのような海外の販売サイトだと税金の二重課税にも気をつける必要があります。
租税条約を結んでいる国で販売する場合、手続きをすることで外国の税金を控除することが出来ます。
少し難しい内容ですが、参考サイトや手順を載せていますのでご覧ください。


当ブログはこれからもインディゲーム開発者の支援とインディゲーム市場の発展のために活動して参ります。
前回の記事でお伝えした通り、コミュニティ作りや小イベント開催などを今後の展開として考えております。

改めてご回答頂いた開発者の皆様、ご協力ありがとうございました!
次回もアンケート記事を投稿致しますのでお待ち下さい!

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