前回「Dream Engines: Nomad Cities」に続いて、今回は「Glyph」の開発者にインタビューを実施させて頂き、いくつかの質問について回答を頂きました!
また、様々なギミックを盛り込んでいるプラットフォーマー「Glyph」のゲーム概要について知りたい方はこちらへどうぞ。
それでは、翻訳した回答を見ていきたいと思います!
1.「Glyph」 の開発で最も困難だったことは何ですか?また、それをどのように克服しましたか?
(リードゲームデザイナー)Jesper Halfter氏: 「Glyph」の開発で最も困難だったことの一つは、挑戦と自由が調和する良いバランスに到達することでした。私たちは「Glyph」を通して、プレイヤーが時間をかけて操作がうまくなることを楽しめるような体験を作りたいと思いました。プレイヤーのスキルが向上することで、新たな可能性や道が開けることを理解してもらいたいのです。そうなれるようにキャラクターの移動能力やレベルを設計することは、私たちにとって大きな課題でした。例えるなら、スケートボードを使いこなせるようになりたい人のためのコースをデザインするようなものです。私たちが明確に定義したチャレンジ、あるいはプレイヤーが上達していけるように自身で定義したチャレンジを、プレイヤーが乗り越えた時の喜びを感じられるようなコースを作ることが課題となります。失敗すれば痛いし、それが分かっても何度も失敗します。でも、うまくなって自信がついてくると、新しい目標ができて、自分でも驚くようなことができるようになります。
その経験をゲームで表現することは、最も困難なことの一つでした。
この問題を解決するために、「Glyph」はかなりオープンなゲームとして設計されています。例えば、 さまざまなルートがあり、そのルートを自分で決めることができます。1つのレベルの中ですべてを集めなければならないということはありません。それでも、プレイヤーはそうしたり、レベルを探索したりしたいです。自分が「全部集められる」「全部探索できる」を証明したいという衝動に駆られるでしょう。
私たちは一歩下がって、プレイヤーが困難の後に快適になれるようにしています。私たちはプレイヤーと契約を結び、上手くやればゲームをクリアできるし、優れたパフォーマンスを見せれば報酬も与えられます。また、その報酬はゲームだけではなく、あなた自身によるものでもあります。
2. あなたはどのように発売前のプロモーションを行いましたか?
(マーケティング)Rasmus Stouby氏: 実際には、見せるべき製品がないので、大したことはできませんでした。そこで、ゲームを紹介するためのデモを開発し、itch.ioなどのデモ好きなサイトに載せることを始めたわけです。
しかし、私はこのゲームがどのようなジャンル(マーブルゲームやボール転がし)に属するのかを確立し、同じジャンルのゲームの歴史についても頭に入れました。その結果、最適な客層を見つけることができました。
Steam(もしそれがあなたのゲームのプラットフォームなら)のページ、Discordのサーバー(やTwitterのページなど)をすぐに立ち上げましょう。これらのページでは、ゲームの進捗状況(画像や動画)を更新しましょう。マイルストーンに到達したと思ったら、Steamでニュースメッセージを発信しましょう。私はこれらのうちのいくつかを実行しましたが、すべてではありませんでした。しかし、早く始めることが肝心だということを学びました。
それから、ホームページの再構築にも着手しました。私が入社した当時のホームページは情報量が少なかったので、スクリーンショットや動画、コミュニティサーバー(Discord、Youtubeなど)へのリンクなどのコンテンツを増やしました。また、レビューページや購入オプションも追加しました。効果が特にあったのは、プレスページに連絡先とプレスキット(画像、動画、ロゴ、GIFなど)を追加したことです。ジャーナリスト、レビュアー、そしてお客様に対して、できる限り簡単に彼らの要求に応じられるようにするのが賢明です。彼らは、連絡先や記事の内容、あるいは単に購入オプション(Steamへのリンク)など、必要な情報を簡単かつ迅速に得ることができるようにしましょう。
次に、小規模なYouTuberに連絡を取り始めました。Youtubeの大物とは対照的に、彼らはあなたが連絡を取り、彼らの意見を大切にしてくれることを喜び、光栄に思っています。彼らのフォロワーは比較的に少ないですが、小規模なYouTuberをフォローしている人たちは、紹介された商品により関心を持っているので、コミュニティ内に(小さな)会話を始めていることになります。そこでコメント欄に参加して、自分を紹介してみてください。彼らはゲームの開発者やマーケティング担当者の話を聞くのが好きなので、共有することを恐れないでください。ただし、ゲームの開発に関する約束はしないでください。なぜなら、あなたが今後実装したいアイデアは変わる可能性があるからです。
同時に、私はジャーナリストにも声をかけ始めました。ここでも、小さなウェブサイトから始めました。モチベーションを維持するためには、最初にある程度の成功を収めなければなりません。小さなサイトは、Kotakuや他の大手のサイトほど注目されていないので、成功しやすいのです。彼らがあなたについて書き、あなたのゲームをプレイし、ツイッターでシェアすることで、別のコミュニティであなたのゲームに関する会話が始まることになります。その時あなたも忘れずに参加しましょう!
そこから、より人気のあるサイトとの接触を開始しましょう。一度に5,000人のジャーナリストにメッセージを送るプレスサービスを利用できなければ、大変な労力が必要となります。メールやTwitterのハンドルネームなどをひとつひとつ自分で探さなければならず、思った以上に時間がかかります。しかも、このようなサイトの中には、連絡先を隠そうとしているものもあるようです。
自分でやることの良い点は、メールでやり取りしたり、ツイッターでDMを送ったりすることで、個々のジャーナリストとの関係を築くことができることです(返事があればの話ですが)。尊敬の念、真面目、そしてちょっとラッキーな感じでやり取りするように心掛けましょう。彼らは個人的に「あなたを知っている」となれば、あなたの連絡を見てくれる可能性が高くなります。もちろん、あなたが書いてほしいことをすべて書いてくれる保証はありませんが、検討してもらっただけでも十分な成果です。
3.「Glyph」の予算はどのように確保しましたか?あるいは、開発中に予算の問題をどのように克服しましたか?
(CEO)Bo Bennekov氏: 私たちは自己資金で「Glyph」を作りました。自社のゲーム(KittypocalypseとDick Wilde)の販売に成功し、他の企業や組織にプログラミングサービスを販売した売上でGlyphの資金を調達していました。
4.「Glyph」のローカライズに使用する言語を選ぶ際の主な決め手は何でしょうか?
(リードゲームデザイナー)Jesper Halfter氏: ローカライズする言語を決める際には、いくつかの要素を考慮しました。主な要因のひとつは、その言語が当社のゲームがターゲットとしている市場に適しているかどうかです。もちろん、すべての言語にローカライズすることが望ましいのですが、限られたリソースの中で開発していくには、この点を考慮する必要があります。どのような地域や文化で自分が作ったゲームを楽しめるのか、また、どのような地域や文化であれば、ローカリゼーションを正しく完成させるために労力がどれくらいいるのか、リソースがあるのかを考えました。言語によっては、正しく完成させるためにかなり大きな労力を必要とする場合がありますが、もっと簡単な場合もあります。
5.インディ開発者たちに何かアドバイスはありますか?
(マーケティング)Rasmus Stouby氏: 先に言ったように、早めにコミュニティを立ち上げることです。他の開発者と関わりを持ち、経験を共有し、可能な限り助け合いましょう。また、ゲームのホームページに進捗状況をアップしたり、小規模なレビュアーやYouTuberに早めに連絡したりしましょう。
これらの回答からゲームの宣伝のやり方が勉強になりますね。
次回も更なる海外インディ開発者にインタビューするのでお待ちください!
今回ご協力いただいた「Glyph」はこちらからプレイ出来ます!
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