[GDC 2021]Steamウィッシュリストをどう獲得するか:Independent Games Summit

インディイベント情報

「What to Expect With Your Launch? Sharing Concrete Data on Various Marketing Activities When Releasing Your Indie Game」
Chris Zukowski
Creative Director
Return To Adventure Mountain LLC

 Steamウィッシュリストをどう獲得するか。
86タイトルのデータを分析して見えた傾向と対策を教える。

 クリスはまず、ウィッシュリストを含むマーケティングは、あくまで成功する要素の10%を占めるに過ぎないと指摘します。

 残りはゲームのクオリティが45%、そして残る45%はSteamで好まれるゲームジャンルかどうかだ。いくら世界最高の技術があっても、時代遅れだったり求められていない物を作ったら売れない。確かにそうですよね。

 発売前にSteamでどれくらいのウィッシュリストを集めればいいのか。
最低7000は欲しいと言います。それを超えると、Steamのアルゴリズムがある程度の注目作としてユーザーの目に付くように表示してくれるようになるようです。
そして発売初週で実際に売れる本数は、ウィッシュリストの20%だといいます。

 そして実際にウィッシュリスト獲得にどんな施策が効果的なのか。

 まず「FESTIVALS」。この期間中に、期待値の高いタイトルで5000~6000、中間層で2000程度、低い物で200~400程度のウィッシュリストを獲得出来るとの事です。
この辺りの数字から、自分たちのタイトルがどの辺りの位置にいるかが分かりますね。
ここで指している「FESTIVALS」には、4種類の形態が存在します。

1.サードパーティによる開催
2.パブリッシャーによるセール
3.Valve社主催のテーマに沿ったセール
4.Steamでの季節開催

1.サードパーティフェスティバル
 例えば、Guerrilla Collective、Digital Dragons、gamescomなど、Steam内で開催される物に限定しています。
・ウェブサイトで応募して審査を受ける
・費用がかかる場合もある(が、支払う価値は十分ある)
・取り扱うタイトルが多いほどウィッシュリストは減る
・ゲーム開発ツールが開催する事もあるので、そうした時に取り上げてもらえるようメールを送っておく

またこういったフェスティバルは、自分で組んでSteamに提案することも出来るそうです。実際にスイスのゲーム、ケベック州のゲームなど地域の開発者が協力して開催している事例があります。
多くのインディ開発者とコネクションがあるなら自分たちで開催するのも手ですね!

2.パブリッシャーフェスティバル
 当然ながらフェスティバルを開催出来るだけの大手パブリッシャーと契約している必要があります。

3.Valve社主催のテーマセール
 予測は出来ないが、ある日Steamから参加しないかとメールが届くので応募すれば取り上げてくれる。

4.Steamでの季節開催
・年3回開催される
・どんなタイトルでも応募すれば1回だけ参加可能
・リリース直前の回を選ぶべき

良いゲームならトップ欄にフィーチャーされる。
選ばれるかどうかで獲得ウィッシュリスト数は3~4倍も違ってくる。

 フェスティバルは、ウィッシュリスト獲得に最も有効であるだけでなく、パブリッシャーや実況者に注目される機会でもあるので、とにかく応募しよう!との事です。

 次に「STREAMERS」
YoutubeやTwitchなどの実況者を指します。
期待値の高いタイトルで8000、中間層で2000~3000、低い物で300~1500程度のウィッシュリストを獲得出来るとの事です。

 次が「REDDIT」
r/gaming、r/games、r/pcmasterraceなどに投稿して響けば4000~8000、r/PixelArtで200~400、r/gamedev、r/IndieGaming、r/Unity3Dで25~100程度のウィッシュリストを獲得出来るとの事です。
ポイントは、デベロッパーではなくゲームのファン層に向けてポストする事。

 次が「PRESS」
PC Gamer、Rock Paper Shotgun、Kotakuなどへプレスリリースを流すこと。

 その他、「TikTok」コンバージョンレートは0.1%程度だがバズれば大きい。
「IMGUR」大よそ400程度。REDDITに投稿する前にIMGURで試すのが良い。
そして、ラストが「TWITTER」
Twitterにはまるゲームの場合は大きな効果があるが、概ねそれほど効果は無い。
フォロワー数なども売上とは直結しないので、無視する選択もあり
という意見でした。

 最後に興味深い情報として「Youtube Promotion」が挙げられていました。
Youtubeで開発状況を随時伝えていく形を取ると、それ以外の方法で進めた場合(左側のグラフ)と違って、大きなイベントが無い期間でもウィッシュリストの増加数が平均して大きくなるという事です。
データとしては多くありませんが、一つの進め方として検討出来ますね。

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