■トレンド
ここ数年でのインディゲーム市場の変化について、私たちは以下の3点が大きな特徴だと捉えています。
〇販売プラットフォームの集約化
Steamのインディゲーム市場での強さは今に始まった事ではありませんが、近年では、まずSteam向けにゲームを作った上で、Epic Games Store、GOG.comなどのPC系販売サイトへ横展開する事はもちろん、ゲームエンジンの機能によって Nintendo Switch や SONY PlayStationシリーズ向けに対応させて販売する事も容易になった事が大きな変化でしょう。
ですから正確にはプラットフォームが集約した訳ではなく「ワンソースで主なプラットフォーム群へ展開出来るようになった」という表現が正しいのですが、インディゲーム開発者にとって、かつてはパブリッシャーの手を借りるしかなかった幅広い層への展開が独力で出来るようになったという点で大変大きなポイントです。
これまでのゲーム産業の歴史の中で、個人もしくは小規模チームがこれほど容易に世界中の多くの人たちに向けてアプローチ出来た時代はありませんでした。
このチャンスを逃す手はないでしょう!
〇オンラインイベントの増加
昨年以降のパンデミックはインディゲーム関係者にとっては決して単なる災厄ではなく、実際に人が移動する事がなくともオンラインでより幅広い人々にアプローチ出来るようになったというメリットがありました。
中でも最大のメリットは、各種イベントがほぼオンライン開催になった事では無いでしょうか。
例えばGDC内で開催される「Independent Games Summit(略称:IGS)」。
これまではサンフランシスコに行かなければ参加出来ませんでしたが、日本にいながら(時差の関係でセッション受講は深夜になりますが)参加出来るのです。
他にも、これまでなら参加検討すらしなかった遠隔地のイベントにも容易に参加する事が出来ます。そこで現地のパブリッシャーが見つかれば、英語などのメジャー言語以外にも展開することが出来るのです。
ぜひ積極的にこのメリットを活用していきましょう!
〇小規模開発、大ヒットタイトルの増加
この項目は上記2点のトレンドの結果でもありますが、ここ数年、個人もしくはごく小人数で開発されたインディゲームながら数百万本レベルのヒット作となったタイトルが数多く出てきています。
代表的な例を挙げれば、「Among Us」は3人で作られたタイトルですし「Phasmophobia」に至っては1人で作られたタイトルですが、VGInsightsの推測によれば、どちらもSteamだけで200億円(!)稼いでいるのです。
「Baba Is You」もフィンランドの1人の開発者がゲームジャムで思いついたアイデアを元に作ったゲームで、13億円の売上を叩きだしています。
日本のインディゲームとして100万本販売を公式発表している「天穂のサクナヒメ」は、2人の開発者が5年半かけて作り上げたタイトルです。
これらのトレンドはまだまだ始まったばかりですし、これからも当面同じ方向性で続いていく事は間違いありません。
ぜひこのムーブメントに乗っていきましょう!
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