マーケティング考察 – 3か月の週間STEAMインディランキング(6/4~9/23)から見るランクイン作品の傾向~多言語対応(ローカライズ)編~ ー インディゲーム分析

インディゲームランキング

 これまで当サイトにて、STEAMの全世界売上上位ページを元に独自のランキング付けを行い、上位のインディゲームを紹介してきました。
約3か月間今までのランキングから窺える、インディゲーム市場の傾向や特徴をできる限りお伝えしようと思います!第二弾は多言語対応(ローカライズ)についてです。

 自分達の母国語に対応していないとそれだけで購入に抵抗を感じる人もいます。特に、ゲームを楽しむうえでどうしても言語力が強く要求されるもの(深いストーリー、謎解きや重要なシステムに関わる要素、音声認識など)があるとそのぶんだけユーザーが感じる購入ハードルは高くなります。
中・英は、市場として大きい割合を持ちます。ヒットタイトルを目指すなら欠かせないところです。

この表示があるだけで身構えてしまいます…

Steamの作品ページで言語対応していることをユーザーに印象付けましょう。
ゲームの対応言語の設定でチェックが付いている言語では、Steamの作品ページ上で上記の表示が無くなります。ここが多言語対応のスタートラインと言えるでしょう。もちろんゲーム内容が設定に合っていることを確認してください。

 「〇〇語 はサポートされていません」の表示はこれで無くせますが、ゲーム内容だけに留めずSteam作品ページに関しても、多言語化できるとさらに有利です。表示対応さえさせていれば、ユーザーが設定した言語表記でSteamの作品ページを見てもらえます。作品ページはゲームを買う前にほぼ必ず経由することになりますから、そこで自分の言語に対応していることが確認できるとゲームへの印象が変わります。
Steam以外のプラットフォームでも同様に、可能ならば作品ページも多言語対応すると吉です。

 さて、ここからは実際のゲーム内での翻訳についてです。

 「作品ページはゲームを買う前にほぼ必ず経由する」とはいっても、ゲームを初めて知る機会については他の場所からであることもあります。プレスリリースから作品を知る、ゲーム動画から作品を知る、というのはその一例ですね。
ヒットタイトルともなれば、作品ページ外経由で作品に入ってくる割合が圧倒的に多くなるでしょう。そこでの印象は、主にゲーム内容から判断されることになります。ですから翻訳の評価も当然主にゲーム内容から判断されます。
どこから見てもグローバルに、つまりどこを経由するルートでも作品が言語対応していることがわかれば、購入ハードルが高くならず理想的です。

 多言語化はゲームの制作者側のほうが大変で抵抗を感じてしまうかもしれませんが、ランキング上位に名を挙げていたヒットタイトルでもリリース当初は「多言語対応こそしているものの翻訳が機械翻訳らしい」というケースもありました。中にはフォント等の関係で読むことすら難しかったタイトルもあります。しかし、最終的にはアップデートによって多くのユーザーが満足する翻訳になっていることがほとんどです。
最初から完璧な翻訳で多言語化を目指すと確かに大変になってします。早期アクセスを経てなど、段階を踏んで良い翻訳にするという選択肢もあります。その際は改善の意思を見せるのを忘れないようにしましょう!
ほか、ゲームを遊んでくれたユーザーが翻訳に関するフィードバックを送るケースがあります。基本的には専門の人に依頼するほうが信頼性は高いですが、ユーザーの厚意で翻訳が改善されたタイトルもあります。

 これは”できれば”の範囲で大丈夫ですが、インスパイアを受けた作品からオマージュ台詞を作って翻訳する場合は、その言語でインスパイア元の作品を見て、そこでの表記に忠実な台詞を作ればどの言語でもオマージュに気付いてもらいやすくなります。
こうしたようなローカライズの細かいアピールポイントをしっかり拾えば印象はもっと深まります。

 作品を販売するならヒットタイトルを目指したいものです。ヒットタイトルと多言語対応は密接に係わるので覚えておきましょう!

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