海外インディ開発者の考え方~「INDIE GAME MARKETING: A GUIDE ON STANDING OUT」第九回~

インディゲーム市場について

※本記事は掲載元のhttps://www.rengenmarketing.com/の許可を得て日本語訳を掲載しています。

前回のINDIE GAME MARKETING:A GUIDE ON STANDING OUTに続いて、今回はメールや広告での宣伝についてを皆さんに紹介します。

メールマーケティング

メールマーケティングはコミュニティの一種ではありませんが、コミュニティの関心や、取ってもらいたい行動を促進することができます。

メールマーケティングは、ゲーム開発者にとって様々なチャンスとメリットを掴める戦略です。

まず、あなたのメールリストに登録した人は、あなたのゲームに興味があるから登録しています。

そのメールをどのように利用するかという意図を明確に示していれば、登録してくれた人たちは連絡をとってもいいと言ってくれるはずです。

これにより、ファンに特定の行動を起こさせる影響力を高めることができます。

メールマーケティングを行う意図は以下のようにまとめられます。

・サイトに誘導する
・プレイヤーが確実に更新情報を受け取り、関心を高める
・Discordのサーバーに招待する
・フィードバックをもらう
・売上やウィッシュリストを増やす
・イベントやキャンペーンなどに参加する認知度を上げる

また、そうすることで、定期的にファンと連絡することができ、ゲームに関する限定コンテンツを共有することで関わる価値を提供することができます。

メールマーケティングには様々なメリットがありますが、その中でも一番のメリットは、自分のメーリングリストがあることです。

これは、情報が特定のプラットフォームからのみ流されることや、アルゴリズムの変更でリーチが影響される心配がなくなります。

あなたはメーリングリストを自由に使用し、さらにリストからメリットも得られます。

例えば、クラウドファンディングの代理機関に助けてもらったり、ターゲット層を特定した有料広告を作成したりすることができます。

全体的にみれば、メールマーケティングは他のマーケティング戦略では得られないファンへの影響力を得ることができます。

これは結果を出すための価値ある投資であり、ファンと直接関わり、彼らが行動を起こすための手段をより多く手に入れることができます。

インディゲームのメールマーケティングを行うには?

メールマーケティングでできることはさまざまですが、あなたのゲームのメールマーケティングキャンペーンは何を準備すればよいでしょうか?

まずは基本から見ていきましょう。

・無料のメールマーケティングのアカウントを登録する
無料のメールマーケティングサービスはたくさんあるので、あなたの需要に最も適したものに登録してください。
・自動ウェルカムメッセージを作成する
アカウントを作成したら、メーリングリストに登録する際のウェルカムメッセージを作成しましょう。
・自分のサイトやランディングページに登録フォームを追加する
メールマーケティングサービスで登録フォームを作成し、自分のサイトやランディングページに追加しましょう。
・メールマーケティングプランを作成する
ファンとどのようにコミュニケーションをとるか、また、どのような頻度で関わるかを決めます。メールのテンプレートを作成しておくと便利です!
・自動化したキャンペーンを作成する(プラスアルファ)
自動化したキャンペーンは、一定期間内にメールを新規顧客に自動送信します。これにより、ファンの関心が向上し、時間を節約しながら行動をさらに促進することができます。なお、ほとんどの自動化したキャンペーンは有料プランでのみ利用可能です。

それらができたら、コミュニティとの関わりを深め、さらに行動を起こさせる影響を与えるための準備は万端です。

インディゲームの有料広告

影響を与える方法を探しているなら、有料広告を利用するのが良いです。もちろん、これはあなたのゴールや目標にもよります。

信じられないかもしれませんが、有料広告は認知度や売上を上げるだけでなく、他にも様々なメリットがあります。

最も良いメリットの1つは、マーケティング資料に関する貴重な情報や率直なフィードバックが早く得られることです。

例えば、広告を出して良い結果が出ている場合、それはあなたのターゲット層、メッセージや広告素材が合っていることを示しています。

逆の場合では、どの要素が合っていないのかを見つける必要があります。

つまり、広告がうまく効果を発揮するのに関わらず、SNSで投稿するだけでは得られない貴重な情報を得ることができます。

このような情報は、他のマーケティングの方針を決める際に非常に役立ちます。

しかし、広告を出して、自分のメッセージが合っているかどうかを「学ぶ」前に、これはあくまで目的を達成するための副産物に過ぎないことを認識してください。

その目的は、ROI(投資利益率)を高めることです。

ゲーム広告を出す際のROI(投資利益率)を計算する方法とは?

有料広告を出す場合、そのコストと同じかそれ以上の結果を得たいですよね。

いくつかの例を挙げて説明していきます。

・クラウドファンディング
あなたがクラウドファンディングを実施し、100,000円で広告を掲載することになったとしましょう。

仮に平均プレッジ額が2500円で、広告の効果で100人の支援者が増えたとすると、その広告からの売上は250,000円で、ROIは150,000円、広告費用対効果(ROAS)は250%となります。

・Steamウィッシュリスト
あなたがウィッシュリスト数を増やすために広告を出すことになったとしましょう。あなたは100,000円の予算でウィッシュリスト数を1000増やしました(1件のウィッシュリストあたりのコストが100円となります)。そして、1000件のウィッシュリストのうち、10%が発売日にゲームを購入するとしましょう。

ゲームの価格が2500円だとすると、広告からの売上は250,000円で、ROIは150,000円、ROASは250%となります。Steamでは売上から30%がカットされることを考慮すると、純ROIは175,000円、純ROASはたったの175%となります。

・モバイルゲームでのユーザー獲得
モバイルはマネタイズによって計算が少しややこしくなります。上記の例は、有料アプリの販売全般に当てはめることができます。

ただし、アプリ内課金がある場合は、広告を出す前に使用している広告プラットフォームのSDK(ソフトウェア開発キット)をインストールする必要があります。

そうでないと、正確な売上を確認したり、ROIやROASを計算したりすることはできなくなります。

基本的に、広告を出すことで貴重な情報が得られます。ただ、あなたは広告を出す労力を管理し、ROIが正の数値になっていることを確認する必要があります。

そうでない場合は、広告を最適化するか、現在使用している広告プラットフォームがゲームの宣伝に適しているかどうかを見直す必要があります。

ROIを高める重要性を理解した上で、インディゲームにとって最適な広告プラットフォームに着目してみましょう。

ゲーム向けのFacebook広告

ゲーム広告を出す場合、Facebookが最適な広告プラットフォームの1つとなる理由はいくつかあります。

主な理由として、Facebookのユーザー層の大半が、多くのインディゲームのターゲット層と一致しているからです。

2021年10月時点の全世界のFacebookユーザー分布(年齢別・男女別)

それ以外にも、良い広告プラットフォームだと思える理由をいくつか挙げていきます。

・ターゲット層の絞り
すべてのプラットフォームの中で、Facebookはかなり広範なゲーム関連のグループのリストを持っています。これは、ターゲット層を絞るのにとても役に立ちます。

また、自分でカスタムの類似オーディエンスを設定することも可能です。類似オーディエンスの優れた点は、カスタムオーディエンス(メールリストなど)の情報に基づいて似た人を見つけることができます。

理想的なターゲット層を見つけるには、時には柔軟な発想が必要です。

・機能性
Facebookのもうひとつの魅力は、様々な広告の目的や種類を設定できることです。一般的に、ほとんどのインディゲームが広告を出す目的は、アクセスを増やしたり、コンバージョン率を高めたりすることです。これらの設定により、広告をあなたの需要に合わせて調整することができます。また、後者の目的に該当する広告フォーマットのほとんどは、ゲームに最適なものになります。

・社会的影響力
ほとんどの人が見逃しているFacebook広告を使用する利点は、社会的影響力です。多くの人は広告にコメントする時によく友達をタグ付けしています。これは、誰かがあなたの広告を共有するようなものではなく、より間接的なCTAのようなものです。広告に対するコメント全般は、社会的証明とみなすことができ、メッセージの有効性をさらに高めることもできます。場合によっては、広告メッセージの潜在的な欠点を明らかにすることもできます。

理想的なターゲット層の興味を引くことが重要で、Facebook広告を使えば、間違いなくそうすることができます。

ゲームの宣伝にFacebook広告を利用したいのであれば、以下のヒントを参考にしてアカウントを作りましょう。

・広告を学びの場として捉える
Facebook広告を初めて利用しても、そうでなくても、これを学習の機会として扱いましょう。広告プラットフォームでは常に更新が行われており、学んだことは他のプラットフォームでも応用できるはずです。
・プラットフォームを知る
Facebookの広告プラットフォームは使いやすいですが、初めて利用する人にとっては扱いにくく感じるかもしれません。利用する前には時間を取って使い方を学びましょう。
・ターゲット層を知る
ターゲットは誰なのか、どのような選択があるのか、しっかりと調べておきましょう。ターゲット層は広すぎず、狭すぎずに設定しましょう。
・目的を知る
どのような結果を重視しているかを知ることで、正確な広告の目標を決めることができます。逆に知らないと、時に悪い結果をもたらすことがあります。
・たくさんの広告素材を用意する
多くのメディアアセットとメッセージを用意することで、どちらがより効果的かを見つけることができます。

Facebook広告を出すアカウントを作る場合は、広告について学び、ゲーム向けのFacebook広告のガイドをチェックしましょう。

今回はメールや広告での宣伝について紹介しました!
本ガイドは次回が最後になりますので、お楽しみに!
原文: https://www.rengenmarketing.com/indie-game-marketing/

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