他のインディ開発者に聞きたいことアンケート~第1回 結果前半~

インディ開発者の声

2021年6月30日~2021年7月4日の期間で実施した国内のインディ開発者アンケートにて
「他のインディ開発者に聞きたいこと」を多数頂きました。
その結果を元に更に深堀りするアンケートを実施し、多くの開発者の方に回答頂きました。
ご回答頂いた開発者の方々、誠にありがとうございます!

今回から、その深堀りアンケートの回答についてまとめていきたいと思います。

前回のアンケートの記事はコチラ↓


①タイトルはどこで展開していますか?

現在インディゲームのみならずゲームを販売する場所は、数多く存在します。どこでも展開出来る反面、それぞれで登録が必要だったり、費用が発生したり、どこまで展開する場所を増やすかは悩ましいところです。今回回答頂いた開発者は、どこで展開しているのでしょうか。

スマートフォン向けのGooglePlay・AppStoreという回答が一番多い結果となりました。続いてフリーゲーム公開サイトSteamという順です。
スマートフォン向けのアプリプラットフォームは、参入が比較的簡単なため多い傾向にあるのかもしれません。フリーゲームとして公開しているという方も多く、無料版を先に公開して有料版をSteam用に作成したというケースもありました。
また、その他ではBOOTHなどの販売ページを作成出来るサイトや、Game Jolt」「itch.ioなどの海外で人気の販売サイトが挙げられていました。

③使用したエンジンやツールについて

ゲーム制作は近年どんどん手軽になっており、様々なエンジンも公開され続けています。開発者としてはどのエンジンを採用し、自分の作りたい物を実現するか悩ましいのではないでしょうか。

Unityが圧倒的に多い結果となりました。続いてRPGツクールシリーズが多い結果です。
これはSteamを見ていても納得が行く内容だと思います。汎用性が高く国内の情報も多いUnityが多く採用され、RPG作品ではRPGツクールシリーズが選ばれやすいと思います。
UnrealEngine4は、情報が少なくハードルが高いのか今回は1件のみの回答でした。最近はUE4のインディ作品も増えているため、今後増えていくことを期待しています。

④開発にかけた時間やコストについて

ゲーム開発だけでなくモノづくりには終わりがなく、どこまででも突き詰めることが出来てしまいます。インディ開発者の多くは、どこまでも作れてしまう現状と膨らんでいくコストに頭を悩ませることも多いのでは無いでしょうか。
他の開発者がどのくらい作品を作るうえで時間やコストを割いているのか、見ていきましょう。

・開発期間

作品の規模や生活の基盤、専業か本業の合間に進めているかなどで状況は大きく違うため、一概にこの期間すべてを使っているというわけではないという前提となりますが、このような結果となりました。
半年以内が10人と割合的に多く、手早く形にして世に出している方が多いのかもしれません。
アンケートでは、リリース後に更にアップデートをしているという声も多く、製作期間の線引は難しいようです。今はアーリーアクセスでリリースし、お金を頂きながら開発していくスタイルが定着してきましたし、インディ作品自体のクオリティもどんどん上がっています。開発期間は伸びていく傾向にあると思っています。

・開発する時間とコストの捻出方法について
今回回答頂いた開発者の方は、多くが本業の合間に行っているという方が多く、
 ・本業の合間や夜の時間 ・・・10件
 ・土日や祝日などの休日 ・・・6件
専業で行っている方は1、2件だけでした。

コストの捻出方法については、件数が少ないですが
 ・本業の収入
 ・サラリーマン時代の貯金
 ・家庭内の小遣い
 ・発売したゲームの売上
 ・クローズドなフレンドファンディング

という回答を頂きました。
発売したゲームの売上で生計を立てられている方は少なく、回答頂いたほとんどの方は別で収入を得たり、貯金を使って開発をしていることがわかりました。

⑤外注の使用状況について

ゲームを作るには様々なリソース(素材)が必要になります。そのすべてを自分達で作成することも出来ますが、かかる時間や必要な量は膨大になり、外注や販売サイトで購入する事例は多いと思います。
インディ開発者の方がどのくらい外注を使っているのか見ていきましょう。

「なし」が一番多い結果となりました。コストを抑えて開発を進めるうえで外注を使わない選択肢を選んだ開発者が多いということがわかります。
外注を使った事例で多かったのは、声優を起用したボイス、ゲーム中のイラスト、BGMやSE関係となりました。
・ボイス
個人で活動されている声優さんに依頼をし、部分的に使用するボイスを少量発注する方が多いようです。費用は5,000円以内とボイス数が少ない分、コストも安く抑えられているようです。
・イラスト
イラストは大きさや点数などで値段は大きく異なるため、一概に言うことは出来ませんが、
回答で多かった金額は、1枚辺り1~5万円で発注をしているようです。
・サウンド
BGMやSEは、誰かに依頼するのではなく有料の商業利用可能なサイトで購入されている事例が多いようです。多かった価格帯は、1~3万円の間で購入先は下記のサイトが挙げられていました。

作曲者に依頼している事例では数十万の費用がかかったという回答もありました。
・翻訳
今は無料の翻訳サービスが充実していますが、ADVの会話パートなど機械翻訳では難しい部分もあると思われますし、単純に手間もかかるため外部に依頼をするケースも増えているようです。
回答では、30~50万円の費用がかかったとありました。
・モデルデータ
今回の回答では1件でしたが、3Dモデルなどのコストが高い物は外部で購入することでコストを抑えることが出来ます。下記のようなアセットストアでは定期的にセールも開催されており、安くアセットを買うことも出来ます。

⑥行ったプロモーションについて

前回のアンケートでは、一番プロモーションについて悩まれている意見が多くありました。
どういう施策を行い、ゲームを広めているのか回答を確認していきましょう。

やはりTwitterがダントツで多い結果となりました。他の施策と合わせて情報発信の基盤としてTwitterを活用している方が多いようです。
次いでプレスリリースが多く挙がりました。当ブログでもプレスリリースを募集しており、多数のゲームメディアで簡単にゲームを取り上げてもらえるため、多く活用されているようです。
IndieLiveExpo等のイベント出展も多く挙がりました。国内のインディイベントもいくつかあるため、当ブログとしても積極的に参加されることをオススメしています。
「Indie Live Expo Winter 2021」の開催も決まり、2021年7月現在エントリーを受付中です。
下記ページを参考にしてエントリーしてみてはいかがでしょうか。

その他の施策として
 ・VTuberへの営業
 ・4コママンガ
 ・ノベライズ
 ・グッズ販売
などが挙がりました。
中でもVTuberへの営業は、我々としてもオススメしたいプロモーションの一つです。
大きな企業に属するVTuberに対しては難しいかもしれませんが、個人で活動されているVTuberの方へ個別でゲームをぜひ遊んでくださいと、Steamのダウンロードコード等すぐプレイ出来る物を付けて送ってみることで取り上げて貰える可能性は十分にあります。


今回はここまでとなります。
今までよりも踏み込んだ内容で、どこまで開発者の方が回答して下さるか不安でしたが多くの回答を頂き、大変感謝しております。また、今回のアンケート結果が、今インディゲームを開発されている開発者の皆さんの参考になれば幸いです。

次回は、上手く行った事、失敗した事、苦労した事、リリースした結果など更に踏み込んだ内容の記事を予定しております。お時間を頂きますが、次回をお待ち下さい!

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