マーケティング~第4回 価格戦略2~

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■価格戦略2
 価格は奥深いテーマなので、さらに深掘りしましょう。
 海外にはインディゲームの価格について考察しているサイトは多く存在しますが、インディゲーム市場全体を俯瞰して考える際にこの記事は非常に参考になります。

「Are indie games priced too low?」 VG Insights(2020年6月18日)
https://vginsights.com/insights/article/should-developers-charge-more-for-an-indie-game

 まずこの表。インディゲームの価格帯ごとのタイトル数と、それぞれ大よそどれくらいの売上を得たのかの集計結果です。
 US$5以下の値付けをしているゲームがいかに多いかと、その半数が$2,000に満たない売上に終わっているという事がわかります。
 また、US$20のラインを越えたところから一気にタイトル数が減り、売上は反比例して増えている事もわかります。
 「インディゲームとは?~第1回 定義~:販売価格」の項で触れたように、96%の作品がUS$20未満の価格をつけている中で、それを超える事にはかなりの心理的ハードルがあるわけですが、ユーザー側もその値付けに開発者の自信を感じて、ある種の信頼感を得ているのであろうと想像出来ます。

 これは面白いデータで、ゲームの動作に求められるスペック(CPU、メモリ、VRAM、記憶容量)などの数値から、そのゲームがどれくらい凝った物かを類推し(右側目盛り)、それと価格の関係性について調べています。
 ここから読み取れるのは、ゲームの凝り具合による平均価格の変化はかなり緩やかで、凝った物だから高い、簡素な物だから安いという相関性があまり強く無いという事です。

 他の様々なサイトを見ても、インディゲームの価格について言われているポイントは大よそ同じであることが多いのですが、ここでは我々自身の経験も照らし合わせて、以下の3点を指摘したいと思います。

1.低価格よりも高価格を選ぶ!

 インディゲーム制作者はもちろんゲームが大好きで、これまでに様々なAAAゲームなども遊んできているはずです。それらと比較すると自分たちの作ったゲームは、シンプルでクオリティも低く、ボリュームもまったく足りていない…。500円でも高すぎる…。
そんな風に思ってしまっても当然だと思います。
 しかし、多くの人が嵌るそのワナから抜け出してください。
 インディゲームはクオリティやボリュームベースに計られる存在ではなく、ユーザーはそういう点は度外視の上で、そのゲームならではの尖っている一点を求めて購入します。
 この市場は「ファン」が土台になっています。ファンの人たちは、開発の助けになるなら「高いお金を払いたい」とさえ思ってくれている人たちなのです。

 US$5で購入してくれる人が、US10なら買わなくなるだろうか。
 US$10なら購入してくれる人が、US$20なら買わなくなるだろうか。

 常にこうした視点で、出来るだけ高い価格を付けられるように自分自身を「訓練」しましょう。

 また先のデータからもわかるように、価格には開発者の自信も反映されていると受け取られます。低い価格なら内容もそれなりだろうと想像しますし、高い価格には内容にも自信があるのだろうと思う。ユーザー目線で考えれば、この感覚は自然にわかりますよね。
 さらに書けば、価格はいつでも下げることが出来ます。
 後から上げることは非常に困難ですが、下げることはいつでも出来るのです。

2.ライバル作品と比較させない

 人間は、自分自身で比較検討した上で行動を選択したい生き物です。
 販売サイトの作品ページに価格が1つだけ掲載されている場合、見た人は「そのゲームを買うか、別のゲームを買うか」という比較検討に入ります。
 そうして、結果として「自分たちのゲームが買ってもらえない」という結果に繋がる可能性が生じてしまうことになります。
 これを避けるためには、販売サイトの作品ページに複数の価格を載せることです。
例えば、サウンドトラックなどとのセット販売を用意する。そうすることで「このセットを買うか、ゲーム単体を買うか」という選択になります。

 さらに、可能であれば「高い価格」「低い価格」も用意出来れば理想的です。
一番高い「松」、中くらいの「竹」、最も安い「梅」の選択肢がある場合、
一般的には「松2:竹5:梅3」の割合で選ばれると言われています。一番売りたい物を「竹」に設定するようにしましょう。
 
また選択肢が「竹」と「梅」の2つ場合は「竹3:梅7」の割合で選ばれるそうなので、多少頑張っても「松」まで用意出来た方が良いと言えます。

3.国別販売価格に留意する

 これも「インディゲーム市場:販売価格」の項で触れていますが、国別の販売価格を自動で設定した場合、強気でUS$20に設定して売っていたつもりが、実はアルゼンチンでは250円で売られていた(!)という悲劇が起こります。
 しかも、なぜか販売国の内訳を見ると、中国、アメリカに続いて10%がアルゼンチンで売れていたりする…(!!)
 人口や経済力などを考えれば明らかにおかしいですよね。
 Valve社も様々な対策を講じているようですが、必ずそれを掻い潜ってチートする人間が出てくるという事です。
 ですから販売する際には、手間はかかりますがしっかりと国別価格までチェックして、極端に安かったり高かったりしている場合は調整しましょう。

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